アートメイクの資格・法律・衛生管理について-安全に受けるための基礎知識
アートメイクは、美しさを長く保てる一方で、医療行為として厳しいルールや衛生管理が定められています。
安心して施術を受けるためには、「どのような資格を持つ人が施術できるのか」「法律ではどう位置づけられているのか」「衛生面はどう管理されているのか」などの、基礎知識を理解しておかなければなりません。
本記事では、アートメイク施術に必要な資格や理解しておくべき法律、衛生管理の重要性を解説します。安心してアートメイクを受けたい方は、ぜひ参考にしてください。
アートメイクは医療行為
日本では、アートメイクは医療行為として法律で定められています。厚生労働省は、皮膚に針を刺して色素を注入する行為は「医業」に該当すると明示しているため、施術を行えるのは医師、あるいは医師の指示を受けた看護師のみです。
十分な医療知識や技術が備わっていない場合、重大な健康被害につながるおそれもあります。さらに、医療機関であれば、万が一トラブルが起きた際にも迅速な対応が可能です。
美容目的であっても、アートメイクは医療行為です。必ず医療基準を満たしたクリニックで受けましょう。
施術できる人
アートメイクの施術は、医療資格を持つ人に限定されています。ここでは、それぞれの資格と施術できる範囲を解説します。
- 医師
- すべてのアートメイク施術を単独で行える。麻酔の処方や使用、トラブル時の医療処置も可能
- 看護師
- 医師の指示のもとであれば施術が可能。多くのクリニックで、実際の施術を経験豊富な看護師が担当
- 歯科医師・歯科衛生士
- 口唇周辺に限られる(眉やアイラインは専門外)。歯科衛生士は歯科医師の管理下で
医師
医師は、すべてのアートメイク施術を単独で行える唯一の資格者です。眉、アイライン、リップなど、どの部位でも制限なく施術できます。
さらに、施術に必要な麻酔の処方や使用、万が一のトラブル時の医療処置もすべて医師の判断で行えます。
デザインの提案だけでなく、皮膚の状態や健康面を総合的に判断したうえで、最適な施術プランを立ててくれるでしょう。
看護師
看護師は、医師の指示のもとであればアートメイクの施術が可能です。多くのアートメイククリニックでは、医師が診察とデザインを監修し、実際の施術を経験豊富な看護師が担当するスタイルを取っています。
また、看護師資格を持つ施術者は、医療現場での経験を活かし、衛生管理や痛みへの配慮に優れた施術も提供します。注射や点滴などで培った繊細な技術は、アートメイクの精密な作業でも活かされるでしょう。
歯科医師・歯科衛生士(部位による)
歯科医師や歯科衛生士が行えるアートメイクは、口唇周辺に限られます。口の構造や血管に詳しいため、安全性に配慮した施術が期待できますが、眉やアイラインは専門外です。
また、歯科衛生士が施術する場合は、歯科医師の管理下で行われますが、アートメイクに対応していない歯科医院も多いため、事前に確認しましょう。
エステ・サロンでの施術は法律上NG
エステサロンや美容サロンでのアートメイク施術は、日本では違法です。医療資格のない者が行えば医師法違反となり、刑事罰の対象になります。実際、無資格施術による健康被害で摘発された例もあります。
たとえ、「海外で資格取得」と説明されても、日本で医療資格がなければ違法です。
さらに、無資格のサロンでは感染や色素アレルギー、デザイン失敗が起きても、適切な処置が受けられないリスクがあります。
料金の安さで選ぶのは危険です。アートメイクは、必ず医療機関で受けましょう。
- エステサロン・美容サロン
- 医療資格のない者が行えば医師法違反。刑事罰の対象になり、摘発された例もある
- 「海外で資格取得」の施術者
- 日本で医療資格がなければ違法
- 料金の安さで選ぶ
- 感染や色素アレルギー、デザイン失敗が起きても、適切な処置が受けられない
衛生管理が重要な理由
ここからは、アートメイクでなぜ徹底した衛生管理が求められるのか、その理由を解説します。
- 針を扱うため感染対策が必須
- 滅菌管理が必要
- 使い捨て器具の使用が求められる
針を扱うため感染対策が必須
医療機関の施術者は、こまめに手指消毒を行い、使い捨て手袋を着用するなど、感染対策を徹底しています。
アートメイクでは、皮膚のバリア機能を突破して針を刺すため、細菌やウイルスが体内に侵入するリスクがあるためです。
たとえば、B型肝炎、C型肝炎、HIVなどの血液を介した感染症が代表的。これらは一度感染すると治療が困難で、重大な健康被害につながるおそれがあります。
滅菌管理が必要
アートメイクで使用する器具は、必ず適切に滅菌されていなければなりません。滅菌とは、すべての微生物を死滅させる処理のことで、単なる消毒よりも高いレベルの安全性を保てる方法です。
さらに、医療機関ではオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)などの専門機器を使用し、常に清潔で安全な器具が使われる環境を整えています。
使い捨て器具の使用が求められる
現代のアートメイクでは、針や色素カップなど皮膚に直接触れる器具は、基本的に使い捨てが求められます。ディスポーザブル(使い捨て)製品を使用すれば、利用者同士の感染リスクを根本から断つことができるため、多くの医療機関で積極的に導入されています。
また、使い捨ての針は、個別に滅菌パックされた状態で保管され、施術直前に開封されます。使用後は医療廃棄物として適切に処理され、再使用されることはありません。
クリニックで受けるメリット
クリニックでアートメイクを受けるメリットには、以下のようなものがあげられます。
- 麻酔が使用できる
- クリーム状の表面麻酔で、針を刺す際の痛みをかなり抑えられる
- 医療管理のもとで施術を受けられる
- 医師の診察とカウンセリングで、受けても問題がないか医学的に判断してもらえる
- トラブル時に医療対応が可能
- 腫れや感染、アレルギー反応が起きても、すぐに診察や治療、薬の処方を受けられる
それぞれみていきましょう。
麻酔が使用できる
医療機関では、施術時の痛みを軽減するために麻酔が使用できます。クリーム状の表面麻酔を塗布すれば、針を刺す際の痛みがかなり抑えられます。
特に、痛みに敏感な方や、アイラインやリップなどの敏感な部位の施術では、麻酔の使用が快適さを大きく左右するでしょう。
医療管理のもとで施術を受けられる
医療機関では、施術の前にまず医師による診察とカウンセリングが行われます。皮膚の状態や体調、服用している薬などを確認し、アートメイクを受けても問題がないか医学的に判断してもらえるため、持病やアレルギーがある方でも安心です。
また、施術中も医師や看護師が常に体調の変化を見守っているため、異常があればすぐに対応してもらえます。
トラブル時に医療対応が可能
もし施術後に腫れや感染、アレルギー反応などのトラブルが起きたとしても、医療機関であればすぐに診察や治療を受けられます。必要に応じて薬の処方も受けられるため、症状が悪化する前に対処が可能です。
経過を確認しながら同じクリニックによるフォロー体制は、大きな安心材料といえるでしょう。
おすすめクリニック一覧リンク先を見る海外(韓国)との違い
アートメイクは韓国でも盛んに行われていますが、日本とは法律の位置づけや資格制度が大きく異なります。ここでは、日本との違いについて解説します。
- 日本
- 医療行為。医師・看護師のみ
- 韓国
- 資格制度が異なる
- 帰国後
- トラブル時の診察は日本で
日本では医療行為として扱われる
日本ではアートメイクは「医療行為」に分類されており、医師または医師の指示を受けた看護師しか施術できません。
これは、皮膚に針を刺して色素を入れる行為が体へ与える影響を考慮し、利用者の安全を守るために定められたルールです。施術は必ず医療機関内で行われ、衛生管理やトラブル対応なども医療基準で管理されています。
韓国は資格制度が異なる
韓国では日本とは異なる資格制度があり、医療免許がなくてもアートメイクを提供している場合があります。
日本よりも価格が安い、デザインの幅が広いといったメリットがあり、渡航して施術を受ける方も少なくありません。
しかし、法律や衛生基準は国によって異なるため、その分リスクがあることも理解しておきましょう。
帰国後のアフターケアに問題が出ることがある
海外で施術を受けた場合、帰国後に腫れや感染、色素トラブルなどが起きても、すぐにサロンや担当者に直接相談することができません。
オンラインで連絡が取れたとしても、実際の診察や治療は日本国内の医療機関で受ける必要があり、費用や手間がかかってしまいます。
また、海外のクリニックでは、デザイン修正や色味調整といった細かなアフターケアも受けにくいため、施術後のフォロー体制も十分に考えたうえで判断しましょう。
よくある質問
最後に、アートメイクを安全に受けるためによく寄せられる質問にお答えします。
Q医療機関かどうか、どのように見わけられますか?
Q料金が高いのは医療機関だからですか?
Qトラブルが起きた場合、どこに相談すればいいですか?
違法施術については、保健所や消費生活センターへの相談も検討しましょう。
まとめ
アートメイクは日本では医療行為として厳格に規制されており、医師または看護師のみが施術できます。エステサロンや無資格者による施術は完全に違法であり、感染症や健康被害のリスクが高いため、絶対に避けるべきです。
医療機関で施術を受ければ、麻酔の使用、徹底した衛生管理、トラブル時の医療対応など、安全性と快適さの両面でメリットがあります。
海外での施術は料金が安い場合もありますが、アフターケアや法律の違いを考えると、日本国内の医療機関で受けることが最も安心です。
自分の健康と美しさを守るために、適切な知識を持ち、信頼できるクリニックを選びましょう。